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404 Not Foundの"404"って何の数字?──HTTPステータスコードの知られざる歴史

404 Not Foundの"404"って何の数字?──HTTPステータスコードの知られざる歴史
【読了時間:約18分 / 要約のみなら3分】

この記事で分かること(3行まとめ)

  • 404の「4」はクライアントエラー、下2桁は識別番号──体系的な設計の結果である
  • 「CERN404号室にサーバがあった」という都市伝説は、関係者本人に否定されている
  • 418 I’m a teapotや451など、HTTPステータスコードにはユーモアと文学が潜んでいる

「ページが見つかりません」──インターネットを使っていれば、誰もが一度は見たことがあるこの画面。

URLを入力して、何かを探して、たどり着いた先に表示されるのは「404 Not Found」。

何気なく目にしているこの「404」という数字。でも、よく考えてみると不思議じゃないですか? なぜ「1」でも「100」でもなく、「404」なのか。実はこの3桁の数字には、Webの草創期から続く歴史と、都市伝説まで生まれた面白いエピソードが隠れています。


結論:404は「体系的な番号付け」の結果

先に結論をお伝えします。

404の「404」に特別な意味はありません。HTTPプロトコル(Webサーバとブラウザの通信ルール)の中で、体系的に番号を振った結果として割り当てられた数字です。

意味404の場合
百の位(4xx)カテゴリ:クライアントエラーユーザ側の問題
下2桁(04)識別番号04番

つまり、「4xxカテゴリの04番」──ただそれだけです。

でも、その「ただの数字」に都市伝説が生まれ、文化として定着していった経緯が面白いのです。


【基礎】HTTPステータスコードの仕組み

Webサーバとブラウザの「会話」

ブラウザでURLを入力すると、裏側でこんなやりとりが行われています。

  1. ブラウザ(クライアント)→ サーバ:「このページをください」
  2. サーバ → ブラウザ:「はい、どうぞ(200 OK)」or「ないです(404 Not Found)」

この返答に付く3桁の数字がHTTPステータスコードです。人間が見る画面ではなく、ブラウザとサーバが通信するための「番号」なんです。

3桁の意味

ステータスコードは、百の位でカテゴリが決まります。

百の位カテゴリ意味代表例
1xx情報処理中100 Continue
2xx成功リクエスト成功200 OK
3xxリダイレクト別の場所に転送301 Moved Permanently
4xxクライアントエラーユーザ側の問題404 Not Found
5xxサーバエラーサーバ側の問題500 Internal Server Error

この体系は、1990年代にHTTPプロトコルの仕様として整備されました。1997年に公開されたRFC 2068(HTTP/1.1の最初の仕様)で定義され、1999年のRFC 2616で広く参照されるようになりました。現在の最新仕様は2022年のRFC 9110です。

下2桁はカテゴリ内の識別番号で、必ずしも連番ではありません。400が「Bad Request」、401が「Unauthorized」、403が「Forbidden」、404が「Not Found」──という具合に、用途に応じて定義されていきました。なお、402(Payment Required)は「将来の利用のために予約」とされたまま、現在も正式な用途が定まっていません。


【時間がない方へ】 ここまでで404の正体──HTTPステータスコードの体系的な番号──がわかります。ここからは、CERN404号室の都市伝説の真相ユーモアと文学が潜むステータスコードを深掘りしていきます。要点だけ知りたい方は「まとめ」へどうぞ。


【深掘り】CERN404号室の都市伝説──その真実

「404号室にサーバがあった」説

404 Not Foundの由来には、有名な都市伝説があります。

「スイスのCERN(欧州原子核研究機構)の404号室に、World Wide Webの最初のサーバが置かれていた。ティム・バーナーズ=リーがその部屋にオフィスを構えていたが、しょっちゅう席を外していたため、同僚が『404 = Not Found(見つからない)』と呼ぶようになった」

面白い話ですよね。もし本当なら、Webの歴史に残る素晴らしいエピソードです。

ロバート・カイリューの一蹴

しかし、これは事実ではありません

WIREDの取材記事(英語版, 2017年12月 / 日本語版, 2018年1月)によれば、WWWプロジェクトのもう一人の中心人物であるロバート・カイリューは、この都市伝説を明確に否定しています。カイリューは「404は部屋番号とも物理的な場所とも一切関係がない。完全な神話だ」と述べています。

さらに、404 Research Labという調査グループがCERNを実際に訪問して調べたところ、CERNの部屋番号は「建物番号+部屋番号」の体系になっており、そもそも「404号室」に該当する部屋は存在しないことが確認されています。

この都市伝説がいつ、誰によって広まったのかは不明ですが、「技術仕様の味気ない説明」よりも「人間味のあるエピソード」のほうが広まりやすいのは、いつの時代も同じかもしれません。


【深掘り】面白いHTTPステータスコード集

HTTPステータスコードの中には、ユーモアや文学にちなんだものがあります。

418 I’m a teapot──エイプリルフールの遺産

418 I’m a teapot(私はティーポットです)。

1998年4月1日(エイプリルフール)に公開されたRFC 2324「Hyper Text Coffee Pot Control Protocol(HTCPCP)」で定義されたステータスコードです。

このRFCは「コーヒーポットをHTTPで制御するプロトコル」を真面目な体裁で記述したジョーク仕様書。その中で、「ティーポットにコーヒーを淹れるよう要求した場合、418を返す」と定義されています。

ジョークとして生まれたはずのこのコードは、GoogleやNode.jsなど多くのシステムで実装されており、正式な仕様ではないにもかかわらず、一種の文化として定着しています。

Save 418 Movement

2017年8月、IETF HTTPBISワーキンググループの議長であるMark Nottinghamが、Node.jsやGo、PythonのRequestsライブラリなどに対して「418を削除すべき」と提案しました。理由は「4xxのコードポイントはいずれ不足する可能性があり、ジョークに予約しておくのはもったいない」というもの。

これに対し、当時15歳の高校生開発者Shane Brunswickがsave418.comを立ち上げ、「Save 418 Movement」を展開。「コンピュータの裏側にいるのは人間だということを思い出させてくれるコード。失うのは本当に惜しい」と訴え、RedditやTwitterで#save418のハッシュタグとともに広まりました。

結果、Node.js・Go・Pythonいずれも418の削除を見送り、Nottingham自身も方針を撤回。さらに2022年のRFC 9110では、418が正式に「予約済み」のステータスコードとして記載されました。ジョークが公式仕様に組み込まれた、珍しい例です。

451 Unavailable For Legal Reasons(法的理由により利用不可)。

このコードは、レイ・ブラッドベリのSF小説『華氏451度(Fahrenheit 451)』に由来しています。451という数字は、ブラッドベリが地元の消防署に問い合わせて得た「紙が自然発火する温度」とされていますが、実際の発火温度は紙の種類や条件により華氏424〜475度程度と幅があります。小説では書物が禁じられた未来社会が描かれます。

RFC 7725(2016年)で正式に定義され、政府による検閲や法的規制でアクセスできないコンテンツに使われます。検閲に対する静かな抵抗として、このコード番号が選ばれたわけです。

410 Gone──永遠の消失

404 Not Foundと似ているようで違うのが410 Goneです。

コード意味ニュアンス
404 Not Found見つからない一時的に見つからない可能性がある
410 Gone消滅した永久に存在しない。二度と戻らない

404は「引っ越したかもしれない」、410は「解体された」のようなイメージです。SEO(検索エンジン最適化)の観点では、410のほうがGoogleに「もうインデックスしなくていい」と明確に伝えることができます。

ソフト404──厄介な偽物

見た目は「ページが見つかりません」と表示しているのに、ステータスコードは200 OK(成功)を返す──これがソフト404と呼ばれる問題です。

検索エンジンにとっては「成功したリクエスト」に見えるため、存在しないページがインデックスされ続けてしまいます。サイトの品質評価にも悪影響を及ぼすため、Web開発では避けるべき実装とされています。


【深掘り】404ページのデザイン文化

404エラーは本来ユーザにとって不愉快な体験です。でも、多くの企業やサービスが404ページをクリエイティブに活用しています。

企業の遊び心

  • Google Chrome: オフライン時に表示される恐竜ゲーム。スペースキーで恐竜がジャンプし、障害物を避けるゲームが始まります。厳密には404ではなくネットワーク切断画面ですが、「エラーを楽しい体験に変える」好例です

Chrome恐竜ゲーム(オフライン画面) 筆者撮影(2026年2月時点)

  • GitHub: Star Warsのタトゥイーン風の砂漠を背景に、Octocat(GitHubのマスコット)がジェダイ姿で登場する404ページ。「This is not the web page you are looking for」というジェダイ・マインドトリックのパロディメッセージが添えられています。2010年の公開当初はマウスの動きに反応するパララックス(視差効果)アニメーションが実装されていましたが、現在は静止画になっています

GitHubの404ページ「Octobi Wan Catnobi」 筆者撮影(2026年2月時点)

  • プジョー: フランスの自動車メーカー、プジョーの公式サイトでは404ページに自社の車種「Peugeot 404」(1960〜1975年製造のセダン)を表示するユーモアが話題になったことがあります

404ページの設計思想

こうした404ページの工夫は、単なるユーモアではなく、UX(ユーザ体験)デザインの重要な要素です。

  1. ユーザを失望させない: エラーだと気づいても離脱させない工夫
  2. サイト内の回遊を促す: トップページや検索機能へのリンクを設置
  3. ブランドの個性を伝える: 企業の文化や価値観を表現する機会

【深掘り】なぜ404だけがここまで有名になったのか?

HTTPステータスコードは数十種類ありますが、一般の人にまで知られているのは404くらいです。500 Internal Server Errorも403 Forbiddenも日常的に発生するのに、なぜ404だけがインターネット文化の象徴になったのでしょうか。

「自分のせい」だとわかるエラー

500はサーバの問題、503はメンテナンス中──これらは「向こうのせい」です。一方、404は「自分が入力したURLが間違っていた」「クリックしたリンクが古かった」と、ユーザ自身の行動に結びつくエラーです。自分の行動と直結するからこそ、記憶に残りやすいのではないかと考えます。

URLを手入力していた時代の体験

今でこそ検索エンジンやブックマークからサイトにアクセスしますが、1990年代〜2000年代のインターネット初期は、雑誌や口コミで聞いたURLをブラウザに直接入力するのが一般的でした。1文字でも間違えれば即座に404。多くの人にとって、「インターネットで最初に出会ったエラー」が404だったのかもしれません。

「Not Found」という表現の普遍性

「Internal Server Error」は技術者向けの言葉ですが、「Not Found(見つからない)」は誰にでもわかります。この人間的な響きが、404を技術用語の枠を超えた言葉にした可能性があります。実際、「404」は英語圏のスラングとして「理解できない人」を指す表現(“He’s a total 404”)にまでなっています。


【エンジニア視点】404の正しい扱い方

エンジニアとしての経験から、404の扱い方について少し補足します。

SEO観点

Googleは404ページそのものを評価しません。つまり、404を返すページがあること自体は問題ではないのですが、大量の404が発生しているサイトは「メンテナンスされていない」と判断される可能性があります。

301リダイレクトとの使い分け

状況使うべきコード
ページのURLを変更した301 Moved Permanently
ページを完全に削除した410 Gone
一時的にアクセスできない503 Service Unavailable
存在しないURLへのアクセス404 Not Found

よくある間違いは、ページを移動したのに301を設定せず、ユーザが404に遭遇してしまうケースです。「リンク切れ」は地味ですが、ユーザの信頼を損なう原因になります。

カスタム404ページのポイント

  • トップページへの導線を用意する
  • サイト内検索フォームを設置する
  • デザインはサイト全体と統一する
  • ステータスコードは必ず404を返す(ソフト404にしない)

まとめ:404はインターネット文化の象徴

404 Not Found。

技術仕様としては「クライアントエラーの4番目」という味気ない説明になります。CERNの404号室という都市伝説は魅力的ですが、関係者本人に否定されています。

でも、この3桁の数字が、エイプリルフールのジョークコード(418)や文学作品へのオマージュ(451)を生み、企業の404ページデザインという文化を育て、インターネットミームとして定着したのは事実です。

技術仕様のはずが、文化になった。404はそんな不思議な数字です。

次にブラウザで「404 Not Found」に出会ったとき、ちょっとだけこの記事のことを思い出してもらえたらうれしいです。


参考情報

関連書籍

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